Utakata 氏家 実咲

 

シャボン玉の儚く美しい魅力を共有するためのインスタレーション。細い真鍮の先からシャボン玉がゆっくりと膨らみ出し、やがて自重 により落下する。落下したシャボン玉は水面を漂い、シャボン玉の膜が薄くなると同 時に虹色の光の干渉が発生し、まもなく割れていく。その破裂は水面に影響を及ぼし、その水面を映し出す周囲の空間に その時生まれ落ちたシャボン玉のみが作り出すことのできる、無二 無三の表情の変化をもたらす。誰もが見たことのあるものを使い、今までと別の視点からそのもの を捉えた事による美しさの再発見と、新たなインスピレーションの 創出を鑑賞者の心に促す作品を目指し、制作した。

思考の濾過装置 岡田 理子

 

人の思考工程を感覚的に可視化できる装置を制作した。作品を創り出すことは苦しい__と同時に雑然とした情報を洗練させ、イメージを具現化することに喜びを感じた。自分なりの答えが出た時、まるで魔法使いになったような気持ちになる。たまたまの偶然が引き寄せた奇跡みたいなきらめきが、嬉しくて、愛しい。 

夜闇空間 Taewhaon Kang

 

暗闇の中で生きる夜行性の動物たちは昼とはまた別の姿を見せてくれます。 なかなか見れない夜の姿を自分の目で体感していただく作品です。

視線の先にあるもの 黒木 望実

 

人は目の前にあるものを、部分的に見たり、全体で見たり、様々な見方をして捉えている。 プラ段を積み重ねた壁面を見ながら、近づいたり、離れたりする。このとき自分が対峙しているある範囲だけ、奥にある写真が浮かび上がるようにして見え、離れるとその範囲は広がる。 部分と全体を行き来するこの行為は、私たちが普段あたりまえのようにしているモノの捉え方ではないだろうか。 普段何気なくしているその行為を、身体行動をとおして意識することで、様々なものがみえてくる。

浮世に漂う 幸坂 賢吾

 

異なる視点で見ることは、デザインだけでなく、日常においても重要だ。普段見過ごしてしまう当たり前なことに潜む発見は、日常に豊かさを与えてくれる。そこで、身近なものや現象に対する視点を卒業制作の題材として取り組んだ。誰もが見たことがある煙が今回の題材である。決まった形を持たない煙を「線」「角」「丸」をもとにした12通りの規則的な形で操作することで煙の新たな様相が見えてきた。

気配の通り道 白井 実香子

 

「見えない人影を見る」をコンセプトに、ライトを用いたインスタレーション。揺れるロウソクの炎や葉っぱから目に見えない存在である風をとらえるように、人の動きにインタラクティブに反応する光源を使って人の気配を視覚化し、視界に入らない人や物の気配にふと気づかされるような空間を考えた。入っては出ていく人の動きに合わせて光源の明るさが変わり、人が集まるほど暗くなっていくことで、見えないけれどそこにいる誰かの存在を影を通してみる。 

光の影 鈴木 沙歩

 

2020年のパンデミックは私にとって身の回りで何が起こっているのか観察するきっかけになった。慣れているからこそ見逃しがちである、些細な変化に集中する時間。その中でも、普段感じることの少ない明るさと暗さの間に焦点をあて、宙に浮くあぶらとり紙を通過し、反射した光の微かな濃淡の違いよって光の陰に集中する時間を表現した。 

見え隠れ 田中 秀俊

 

日本の美意識において、少ない情報から想起させることは多い。 空間においては、茶室の連子窓・雪見障子・日本庭園の木々による視界の変化などがそれにあたる。 また俳句においても、五七五の最小限の文字とそのリズムから情景や景色、心情の移りゆきを想起させる。 時にこのような少ない情報から想起させることを「侘び・寂び」や「幽玄」と現すこともあるが、その根底には「見え隠れ」が在ると考える。 その見え隠れをインスタレーションとして現す。

ombre 永田 爽寧

 

光=影 私は今までの学生生活で光や影をメインに制作をしてきた。この卒業制作は学生最後の制作であり、いつも使っている場所に自分の作品でもある光がひとつ加わるだけで違う見え方になるのではないか。外に出て目にしているモノそれは自然だ。 季節が変わるたび葉は緑になり、枯れ散る。 しかし、葉を拾ってよく見たことがあるか。 一枚一枚ちゃんと生きるために水や養分が流れ込んでいる。 私は今回卒業制作で日常の中に光をひとつ加えることで新たな空間作りを目指した。

記憶庫 松原 千夏

 

人の記憶は、良くも悪くもテキトーです。完璧に記憶される思い出はありませんが、その時感じたものは、必ず「記憶庫」に保管されます。私は、自身の記憶庫を具現化したオブジェクトを通して記憶の層を体験することで、普段はあまり気にかけない各々の記憶庫の姿に注目してもらうための空間をデザインしました。