裏参道における参道空間の創出 田中 千晴

 

「首都建設法」(1950)を発端として首都高が整備されたことにより、かつて存在していた、外苑から明治神宮にかけての緑豊かな参道空間が消失してしまった。そこで参道空間の歩行体験を再生したいと思い、周辺の首都高の高低差を変化させ一部を地下に埋め込む計画を提案した。また千駄ヶ谷駅の屋根が歩道橋としての役割を担うことで、裏参道の参道空間と新宿御苑が駅を介して緩やかに繋がることを目的とした。

祈りの葬祭場 谷口 弥輝

 

草加市谷塚駅から徒歩10分の場所を敷地とした。故人が現生から離れる「流れ」を一本道の導線と光の取り入れ方で表した。空だけが見える火葬前の告別室が他の景色を遮断することで、現生と切り離された空間になると同時に、上へと登っていく故人を想起させ別れを自然的な心境のなかで行える。

苑囿遺跡と現代都市の共存計画 CHEN Kerun

 

対象地である中国成都の中心エリアに、「唐」と「明」の二つの時代の遺跡が発掘された。遺跡の軸線は時代によって異なるため、本提案では現代都市とその中心における古代遺跡をランドスケープとし、そこに4つの新築を設けた。「唐と「明」それぞれの時代に「摩訶池」と「苑囿」の二つの軸線を巡る共存計画を設計した。

日常に架かる劇場空間 塚原 康世

 

日常風景と演劇の非日常感を繋ぐ、大屋根の劇場空間。演劇が親しまれていた時代の伝統や構造を継承し、現代の“公園”という日常風景の中に溶け込ませた。敷地は代々木公園とし、視線が抜けることで、敷居を跨ぐ抵抗を感じさせることのないよう、柱・梁・屋根で構成した大屋根空間をデザインした。

調える、街 長島 未侑

 

視覚的な要素でのみ設計を行うことに違和感を感じていたことから、感覚的な要素に目を向けてみた。そこで都市に広がる「音」に注目をし、約200箇所22つの名古屋市内の地域を対象に人と感情と音の関係性を研究した後、サウンドマップを作成した。また、その中の一部の過疎化の進んだ街に目を向け音によって街を調える提案をしてみた。

丘の上の結婚式場 中洲 勇人

 

新型コロナウイルスの影響により、当たり前に行われてきた結婚式も変化している。そこでこの状況を改善したいと思い【密閉空間・密集場所・密接場面】を意識し、安心して結婚式を行えるような企画を考えた。幼い頃から慣れ親しんだ「清水ヶ丘公園」を敷地とし、土地を活かした式場を設計した。

ANONE STREET, 野渡 綾香

 

私の兄は自閉症という障害を持って生まれた。いつも一緒に生活していても、接し方がいまだに分からない。そんな私と同じような障害をもつ彼らと生活する家族がちょっとした悩みを打ち明けることのできる場があればー授業中こっそりと机に秘密を書き込んだように内なることを書き、また訪れた際に誰かがあなたの悩みにそっと寄り添えますように。 

D Orange Liner 福島 晴

 

中央線の5〜10年後の新しい車両ということをテーマに「地域の未来を優しく支える電車」をコンセプトに制作した。中央線に対する圧迫感のあるイメージを払拭したいと思い、丸みを帯びた形状を考えた。電車の顔となる部分は、高尾地域の言い伝えに登場する「天狗」を手がかりとし、地域を見守っていく安心できるデザインを目指した。